恋のデザインは色鮮やかに。
「そうか?

そのきちんとやる性格のせいか、僕のイラストは型に嵌まっていて面白くないって、よく批判されるけどな」


そんな批判をする人がいるのか!


「そんなことないです!


青山さんのイラストはすごく綺麗です。
写真よりも透明感があって神秘的で。

あんなイラスト、青山さんにしか描けないと思います。


だから…私は、好きです」


「ふっ、なんで成瀬さんがそんなに必死になってんの」


手を口に当てて抑え気味に微笑む。


今まで真面目な顔しか見てこなかったけど、こんなふうに笑うんだ…。


「そうですよね。
素人が何言ってるんだって感じですよね」


「いや、そうじゃない。

…ありがとう」


思わず振り返って青山さんを見てしまった。
目が合うとぱっと逸らされる。


そんな不器用なお礼が、とてつもなく嬉しく感じた。
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