恋のデザインは色鮮やかに。
このどきどきの中では、まともに考えるのなんて難しすぎる。


脳をフル回転させるけど、結局は何も考えていない状態で、空回りに終わる。


この距離、この視線が私に言葉を紡がせないようにする。


どうしよう…。


その時、静かな部屋にドンと何かがぶつかるような音が響いた。


続いて聞こえてきたのは男の人の声で、その方向を見たときにはもう、すぐそこまでその人が迫っていた。


……!


そして、私たち2人の間に割って入って青山さんを突き飛ばす。


「嘘でしょ…レイさん…」


「いって…。

だから秋野、どうやって入って来てるんだよ!」


レイさんがここに来ることはもうないと思ってたから、来ただけで驚きなのに…。


その驚きがどこかへ吹き飛ぶほどのことが目の前で起こった。


レイさん…。
扉の鍵、蹴破って開けたよね…?
< 228 / 250 >

この作品をシェア

pagetop