恋のデザインは色鮮やかに。
「たしか、琴乃ちゃんだったよね?」


「はい。
えっと…白石さんで合ってますか?」


「正解」


白いジャケットを着た白石さん。
名字はその覚え方ができてていたけど、下の名前は覚えきれていない。


「えっと…どんなお仕事をしてるんですか?」


「何だと思う?
どういう仕事してる人っぽく見える?」


うわー、面倒臭い。


男性は女性のいくつに見える?という返しが嫌いだと言うが、男性自身も同じことをやっているという自覚をもってほしい。


それでも、場の空気を悪くしてはいけないと笑顔を取り繕う。


「そうですね…
何かを作ってるとか…?」


我ながらいい加減すぎる。


でも白石さんは、なんでわかったの!?と喜んでいる。


こういう人で良かった…。
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