恋のデザインは色鮮やかに。
何もわかってないな、という目を真央に向けると…


同じような目を向け返された。


「青山さんの勤めてる会社はタワーワークスよ!?
この業界では最も大きい所じゃないの!


あれ?
でも青山さんの方からレイに話しかけてきてたわよね?
知り合いだったの?」


「腐れ縁だ」


「レイ君と青山君は中学生の頃から切磋琢磨して、2人とも注目されるイラストレーターになったんだよね」


社長…残念ながらそんな青春っぽいことは俺の人生には無かったですよ。


「ったく、なんでわざわざ外出してあいつに会わなきゃいけねーんだよ。

もう帰るからな」


早くこんな人ごみの中から抜け出したい。


だが、ガッチリと腕を掴まれている。


「え?帰さないけど。

レイがここまで足を伸ばすことってないでしょ?
ついでに夜ご飯食べていこうよ。
お父さんも行くでしょ?」


「そうだな。
ちょうど良い時間だし、行こうか」


は??

誰が行くか。
これ以上、人のいるとこに行くなんて冗談じゃない。


行かない、と何度も訴えるのに強引に連れていかれる。


この親子は…
こういう時には全く人の話を聞こうとしない。
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