恋のデザインは色鮮やかに。
「まったく、これだからうちの職場の男は…。


まずはこの子の意思を聞かなきゃいけないでしょ?」


そう言って女の人がシッシッとレイと呼ばれる男の人を払って、私を解放してくれた。


「やるよな?
俺の担当として働くよな?」


いやいや、急にそんなこと言われましても…。


というか、何の仕事なのかも聞いてないのに、それでやるかやらないかを決めろっていう方が無茶な話だ。


「まだ就活するつもり?
本当に見つかるの?

うちは小さい会社だけど給料はちゃんと出るし、この辺で手打っといた方がいいんじゃない?

そうすれば、就職先が決まるんだよ?
プレッシャーに押し潰されることなく、卒業まで残りの大学生活を楽しめる」


その悪魔の囁きに私の中で何かが揺れ動く。


揺れて…


揺れて…。


そして崩れた。



「やり……ます。


やらせてください」
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