恋のデザインは色鮮やかに。
「ゴキブリの死骸とか出てこなかったのが奇跡だよな」


ゴキブリ…。


そんなこと一瞬たりとも考えなかった。


あんなにゴチャゴチャしてた場所を素手で片付けてたなんて、今思うと恐ろしい。
ある意味で勇者だ。


「この部屋…
ゴキブリとかでるんですか?」


「あぁ。
もうそろそろ出てくる季節だ。

あ、ほら。そこにいる」


「え!どこですか?
どこ!?」


嫌だ。
見たくない。


でもどこにいるかわからないのは、もっと怖い。
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