恋のデザインは色鮮やかに。
…。


神様じゃない!!

目を開けると、そこには賽銭箱の陰でダルそうに上半身を起こしている1人の男性がいた。


クシャクシャとした黒髪は目を隠すくらいまで伸びていて、寝起きのような目はどこか大人の色気を感じさせる。
黒いTシャツはシンプルなのに、お洒落に見える。


この人は誰なんだろう。
見た目はバンドマンっぽいけど…。


って、第一の問題はそこじゃない。


「私、恋人が欲しくて拝んでたんじゃありませんから」


「だろうね。
この時期にその格好してるってことは、いつまで経っても内定が貰えなくて焦ってるってとこかな?

それで神にすがるなんて、実に浅ましい考えだね」


浅ましいって…失礼な!
私がどれだけ追い詰められてるのか知らないくせに。
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