茜空にあなたとあたし
部活の帰り道。


「篠田さん」


後ろから声をかけられて振り向くと、


「碧くん…」


駆け寄って来る制服姿。


ジャージもいいけど、碧くんはやっぱり制服だな。

カッターシャツに紺色のネクタイ、グレーのチェックのズボン。

先月までの白いベストもよかった…


「さっきはありがとう」

「服着替えないまま部活したんじゃない?大丈夫?」


碧くんは優しい。

教室でいるより少しよく喋る。


「大丈夫…すぐ乾いたから」


並ぶとすごく背が高い。

あたしは碧くんの肩にも届いてない…

これじゃ、親子だな。


「碧くん、走るの速いね。意外だった…」

「え?そう?遅そうだった?」

碧くんは少し笑って言った。


「え?そうじゃないよっ。なんていうか…汗のイメージがなかった…から」


「そう…?」


少し恥ずかしそうに笑う。


碧くん少し日焼けしたな…

頬っぺたのえくぼが可愛いな…

カバンを持つ手が大きくて細いのに角張ってて…腕の血管も素敵。

もし、碧くんのこの腕に抱き寄せられたら…



て、あたしは変態か⁈

いかんいかん、止まれあたしの妄想。








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