茜空にあなたとあたし
「でも…振られたらあたし…あたし…」


涙目になるあたしに風南はフフッと笑って、


「それでも伝えたくなった時に…言えばいいじゃん」

と笑顔で言った。



「風南は、彼氏とどんなことしてるの?」


「ど、どんなこと…?って…」


風南が口ごもると、


「ダメだよ、風南。こいつの恋愛経験値、ゼロだから」


朔が後ろから口を挟む。



「知ってるよ⁈あたしだって…あたしだって…テレビとか雑誌で読んで知ってるんだから!」


どうだ!って顔したら、

「ホラね」

って朔と風南が目を合わせて笑った。



あたし真っ赤になったまま碧くんの方をちらっと見た。


碧くんは笑ってる。


碧くんはあるのかな。

誰かと手を繋いだり、キスしたり…
それ以上のことしたり…


碧くんの手、首、口を目で辿りながらそんなこと考えてるあたしは…


ただの変態じゃないか!
このムッツリスケベめ!


もう自分のこと嫌いになりそう…




< 20 / 62 >

この作品をシェア

pagetop