茜空にあなたとあたし
「もうっ!トイレ行ってくる」

あたしはワザとプリプリしながら立ち上がる。



「まぁまず…男子の前で今からトイレ行くことを宣言する時点で…」


朔の悪そうな顔。


「何よ⁈」

後ろからまた声をかける朔に、振り向いて仏頂面で尋ねる。



「お子ちゃまっ」

朔があたしにグッと顔を近づけて言った。


「え?きゃああ」

女の子達が騒つく。



「バーカッ」

朔を睨んでそのままトイレへ向かった。



トイレから出ると、風南が立っていた。


「ねぇ…朔には何も感じないの?」


手を洗うあたしの隣で鏡の中であたしを見てる。


「朔は…あたしにとっては家族…に近いんだよね。友達だけど、家族みたい」



「そう…朔は違いそうだけど…」


風南が小声で何か言ったけど水の音で聞こえなかった。


朔があんな風にあたしをからかうのは初めてではない。


中学の頃もこういうことあった…


朔の家で、その頃好きだった先輩のこと相談してたら、あたしのことガキって馬鹿にして…





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