茜空にあなたとあたし
「だから…気をつけろよ?しっかり男見る目養えよー」


いつもの朔の笑顔であたしの腕を引っ張って起こした。



朔は…口は悪いけど、いつもあたしのこと大切にしてくれていることは知ってる。


でも、ふざけ過ぎなんだよ…朔は。

また女の子達に嫌われちゃう。


風南がスタスタと教室に入っていった後、あたしはこっそり教室を覗いて様子を伺う。


「朔…ビックリだったねー。いくら幼なじみでも…」


噂してるし。


「でも、あたし最近碧くんいいんだよねー」

はい?


「あ、わかる!顔も実は結構かっこいいんだよね」


はいー?


ちょっと…ちょっと碧くんがモテてるよ。

嫌…嫌だ…


ドアに蝉のようにしがみついてるあたしは、変態通り越して昆虫です…


異変に気づいた風南が、


「美雨?ダメだよその格好は…」


あたしを引っ張って席に戻してくれた。
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