茜空にあなたとあたし
「篠田さんのこと、俺、ちゃんと送り届けるから」


真っ直ぐあたしを見る碧くん…

真剣そのもの。


ああ、この人は本当に…
真っ直ぐで言葉が少ない。


でもね、あたしの心には碧くんの優しさがたくさん感じられるの。

伝えたい。

「あたし、碧くんが…好き。碧くんのことが大好き。今もね、すっごいドキドキしてて…」


涙が出そう。

上を向いて涙をこらえる。


「碧くんの走ってるとこも、笑った顔も、無口なとこも…ちゃんとマネージャーにありがとうを言ってくれるとことかも…大好き…」


碧くん、見たことないくらい照れてる…


ああ、こんな顔見られるのも今日で最後かな。


「俺…かなり普通で…朔に慣れてる篠田さんには物足りないかもしれないよ?」


もう、碧くん…


「碧くんがいいんだよ?あたし…碧くんと一緒にしたいこといっぱいあるの」


「え?」


照れた顔。


「碧くん…あたしと…」

気をつけして声を張り上げるあたしの口を碧くんが慌ててふさぐ。


「声、大きい」

しーって人差し指でやってる碧くん…

かわいい。



「それに、俺から言いたい…」

そっと優しくあたしの手を握って、

「篠田さんが好きです。付き合っ…」

「ハイッ」


「は、早いよ…」

あたしのフライングの返事に碧くんタジタジ。


ププッ面白い…


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