茜空にあなたとあたし
こんなとこいたら朔のファンにまた因縁つけられて面倒。

立ち去ろうとした時…


グランドを走る人が目に入る。


きれい…


風のようだった。


長い手足できれいなフォームで走り抜けるその空気感。

周りのざわめきもチャラけたサッカー部員約1名も全く目に入らないかのように走り抜ける姿に…


あたしは一目惚れしたのだ。


視力は2.0。

この目の中、あたしは彼の一瞬一瞬を見逃さない。


走り終わってマネージャーからタイムを言い渡されるとフワッと笑顔になって…


「ありがとうございます」

ってマネージャーにお礼を言って走り去る。


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