茜空にあなたとあたし
風南に昨日の出来事を話すと、

「うん…そっかぁ。難しいね…」

と、呟いた。


「朔くんの気持ちはなんとなくわかってたけど…でも、美雨も同じでしょ?それは」


風南の言葉が突き刺さった。

そう。あたしは、朔の気持ちにどこか気づいていた。だから、朔に碧くんのことを…知られたくなかった。

朔を傷つけると、わかっていたから。


「だけど…ね、もしもここで春岡と別れても、朔くんと美雨にとってそれはいいことだとは思えない」

風南がハッキリと言った。


「美雨が朔くんを大切に思う気持ちと、朔くんが美雨を想う気持ちは…種類が違うでしょ」

そう、違う…

朔のこと大切だけど、それは恋ではない。

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