茜空にあなたとあたし
朔はそのままグッと私の顔に自分の顔を近づけて、軽くおでこに頭突きをしてきた。


「ちょ、ちょっと…」


おでこを押さえて後ずさりする私の手を、碧くんが握ってグイッと自分の方に引き寄せた。


「朔、冗談がすぎてる」

碧くんが朔を不機嫌そうな瞳で見ると、

「美雨、ヤキモチ焼きな彼氏で大変だな」

そう言って朔は笑いながら先に学校へと歩いて行った。


いつも通りの朝のようだった。

「碧くん…ありがとう」

碧くんは小さく首を振って、

「俺よりも朔の方が頑張ったと思うよ」

朔の後ろ姿を見ながら言った。


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