茜空にあなたとあたし
部活が終わり、帰る頃はきれいな茜空。

制服に着替えた碧くんが部室を出ると待っていてくれた。


私に気づくと、にっこり笑う。
笑うとかわいいとか…たまらん。

ああ、この碧くんも捨てがたい。


「帰ろっか」

優しい碧くんの瞳。

並ぶと碧くんの肩にも届きかねるあたしの身長。

時々触れる腕にドキッとなって、話に集中できないあたし。

意識してるのは私だけなの?
碧くん…

碧くんの影に尋ねる。

2人の影を見ながら歩いていると、影がひとつ止まった。

「どうしたの?碧くん」

あたしも立ち止まって、碧くんを見ると優しい風が吹き抜けた。



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