きっと君を探すから〜kiyoto〜



「俺が大人だったなら…」


そう言い、唇を噛みしめると


鈴は清人の頬をその手で優しく撫でた。





「私も同じ事を思ったわ…


大人だったなら…

自分の意思でこの場所に残る事ができたんですもの…」

「俺が大人だったなら…鈴を止めることができたのに…」






見つめ合う2人には分かっていた。


これが、物分りがいいとか、そういう問題じゃなくて


子供な自分たちがいかに無力で

周りの大人無しで生きてはいけない事を


わがままさえも言えないただの子供なんだと…。



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