きっと君を探すから〜kiyoto〜
1階のリビングに下りると母さんがなにやら衣類を紙袋に詰めている。
「あっ、栄二あんたもクリーニングにだしたい服があったら出しなさい!
今日、そこのクリーニング屋さんで半額なのよ!」
「へぇ…それは良かったね」
でもあいにく俺にはクリーニングにだすほどの服なんか持ってやいやしない。
意気揚々と紙袋を持って家を出て行く母さんを見送ったあと
俺は1人でカレンダーを見ていた。
婆ちゃん退院と書かれた日にちを見ると少し口元がほころぶ。
婆ちゃんが倒れてから数日後、俺たちの祈りが通じたのか婆ちゃんは意識を取り戻した。
父さんも残っている仕事を片付けにまた清人の産まれたあの町へと帰っていったけれど
本当だったら…
俺もついて行きたかった。
けれど、結局バイト先に貰っていた休みの間にはついて行けなかったので仕方なくここに残ったのだ…。
清人の弟である大地に会いたい…。
「金を貯めるしかないかなー…」
ボヤきながらバイトへ行く準備を始めた。