きっと君を探すから〜kiyoto〜


鈴がいなくなった途端に、両親でさえ気を使って鈴の名を出すことがなかった。


それが逆によりいっそう寂しいのだ。


だって

それじゃあ、まるで鈴がこの町にいなかったかのように感じられてしまうから…



だから

どうしようもなく寂しい時は

鈴が住んでいたあの家の裏にある秘密基地に1人で行く。


そして


清人の知らない街で、1人で過ごす鈴を思いながら


早く早く大人になりたいと

ただ、そう願うだけなのだ。





鈴の家は清人と同じボロ屋だから


こんな所に越してくるような奴はなかなかいないと思いながらも不安になる。


誰かが越して来てしまったら

この秘密基地に来れなくなってしまうからだ…。



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