きっと君を探すから〜kiyoto〜
君よ待っていて
そうは言っても
手がかりといえば清人の弟の大地くらいだろう…
頭を抱えたまま
机に突っ伏している俺をリビングにいる母さんが煩い声で呼ぶ。
考え事をしたい時に限って
そうなんだ。
今日は父さんがようやく単身赴任を終えて帰ってくる日だから
母さんも朝から必死こいて掃除に明け暮れている。
そうなると分かっているなら毎日マメに掃除すればいいのに…と、呆れて言葉をかける気にもならない。
「呼んだ?」
リビングで埃をはたいている母さんは俺に気づいてテーブルの上にある紙切れを指差した。
「クリーニングの控え、洗濯物とりに行って来て!」
「今日じゃなくてもいいんじゃないの…?」
「いいから‼」
気がたっているのか、いつもよりもやけにキレやすくなってる母さんにたてつくのは怖いもの知らずなだけだ。
「どこのクリーニング屋さん?」
「あの、ほら、4本裏の通りの‼個人のクリーニング屋さん‼」
掃除機を用意しながら慌ただしい様子の母さん。
「そんな店、あったっけ?」
「あるわよ!平仮名でにいさとクリーニング店って看板があるから行けば分かるわ!」