きっと君を探すから〜kiyoto〜
洗濯物の控えを渡すと手際良くうちの洗濯物を棚から取り出すと手提げ袋にいれてくれる。
「またお願いしますね」と言われて思わず頷き、店を後にした。
やっぱり、鈴とは関係ないだろう…
あんな夢をまで見たんだ
鍵の持ち主…または鈴との出会いはこう…
運命的なものを感じる何かでなければ
ちょっとばかり切ない。
クリーニングを持ち帰ると
予定よりずいぶん早く帰宅したのか、父の靴が玄関に揃えられていた。
「父さん、帰って来てたの?」
「おう、栄二懐かしいな」などと思ってもいない冗談を言い笑ながらテーブルの上に紙袋を置く。
「土産?」
「一応な」
紙袋からだされた温泉饅頭を見て、俺は呆れてため息をついた。
「旅行に、いってたんじゃあるまいし…」
しかもあの辺に温泉街など無い。
きっと帰りがけに慌ててどこかの駅で買った土産だという予想がついた。
「ああ、そういえば、送別会までしてくれてな、その時の写真があるんだが見るか?」と封筒を紙袋から出す。
大の大人が父親の送別会の写真など喜んで見ると思っているのか…
「いや、別にいいよ」と言う俺に
「お前も知ってる顔があるぞ」と封筒から写真をだすとそのままテーブルの上においた。