きっと君を探すから〜kiyoto〜


本気で見るつもりはなかったけれど

1番上に置かれていた写真に写っている顔に見覚えがあり、手にとる。


「ほら、やっぱり見たいんだ」とニヤける父親が腹立つけれど

その写真に写っていたのは、俺が仕事の手伝いに行った時にたばこをくれたおじさんだ。



この人が誘ってくれれば

俺は清人とあの町を結びつけることもできずに帰っていただろう


そう思うとこのおじさんには感謝さえ感じている。


「そういえば、こいつが栄二はビビりだと笑っていたぞ」と父さんが笑ながら言ったのを聞いて…


前言撤回。


感謝なんかするものか…

一発殴ってやってもいいくらいだと感じた。



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