きっと君を探すから〜kiyoto〜


「ちょっと…興味があってね。」

「そんな事を聞くためにわざわざここまで?」

「好奇心だよ。」

そう笑う俺に

祖母ちゃんも少し、困ったように笑う。



「その弟さんのことなら年齢が近かったから分かるけれど、お兄さんのほうはどうだろうね。

あんたの祖父さんから聞いたのは

その友達がまだ、学生さんの頃に亡くなったということくらいかね。」



…亡くなった?


「なんで?」

「病気だったみたいだけど、詳しい話は…。

私の友達のその弟さんも、物心がつく前にお兄さんを亡くしてるから、お兄さんとの記憶はないみたいだったね。

まあ、本当にまだ…小さい頃の話しだったけど。」


病気で亡くなってしまったなら、祖父ちゃんに鍵を渡したのは清人ではないな。


清人は病気とは無縁そうな奴だ。


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