きっと君を探すから〜kiyoto〜
「さあ、どこから手をつけるかな…?」
周りを見渡すと、少し進んだ所に小さな窓を見つけた。
まずはあの窓を解放して、少しでも空気を入れ替えなければ、自分が倒れてしまう。
一先ず、窓の周りの段ボールを、一つずつ、下におろして行く。
「祖母ちゃん、荷物下ろしてくからさ、この機会に要る物と要らない物とで整理するんだよ?」
「ありがとうよー」
台所から聞こえてくる返事に、少し頼りなさを感じながらも、十往復した頃にはようやく、窓の周りに人が通れるくらいのスペースができた。
「一体、いつからの荷物なんだよ…」
窓を開けながら振り返ると、山積みにされた段ボールはまだ、今おろした分の何十倍にも見える。