きっと君を探すから〜kiyoto〜
「アルバムあった?」
「無いねぇ…見つけたら声をかけるからね。
汗ばかりかいたら大変だよ。
冷蔵庫に飲み物があるから飲むといいよ」
「ありがとう。」
缶のお茶を飲みながら、台所にある小窓から外を見ると
ちらほらと、住宅が見える。
幼い頃の記憶では、この辺は畑ばかりだった。
少し遠くの方にはコンビニの看板まで見える。
この辺も徐々に便利になっていく。
清人の住む緑溢れるあの町もこんな風に景色を変えていくのだろうか…?
天井裏に戻る時、祖母ちゃんに声をかけた。
「町並みの変化は嬉しいものかい?
それとも…
淋しいものかい?」
すると祖母ちゃんは即答した。
「人の変化に比べたら
町並みの変化なんて、どっちでもないさ。
無けりゃ無いで生きていけるし
有れば有ったで便利なだけだ。」
「…ふぅん。」