きっと君を探すから〜kiyoto〜
「祖母ちゃん…この人って」
「ああ、この人よ。
友人のお母さん。
綺麗な人でしょう?」
「この人の名前って…分かるの?」
「さあ…名前まではね」
この暑いのに冷や汗が次から次へと流れ落ちて来る。
「じゃあ、この人の息子さんの名前は…?」
「お兄さんの方は分からないけど…
私の友人だった弟さんの名前なら。
確か…」
祖母ちゃんが眉を潜めて悩んでいるのが
俺には永遠のように長い時間のように感じられた。
「そうそう!
大ちゃんよ‼
大地君‼」
パッと明るい笑顔を見せた祖母ちゃん。
その隣で俺は
身体中の血の気がサーっと音をたてて引いていくのを感じた…