きっと君を探すから〜kiyoto〜
さっきまで泣いていたはずの彼女は笑顔のまま立ち上がり「お腹空いちゃったな」と俺を見た。
サークル仲間とついつい熱心に話し込んでしまって夕飯を食べ損ねていた俺も、お腹のあたりに手をおいて
「実は俺も」と笑い返した。
「じゃあ、近くのファミレスで一緒に夕飯でも食べない?奢るわよ」
そう誘われて、初めて彼女と食事に行った。
彼女は泣いていたことについては何も触れようとはせずに、ただ世間話をしていた。
「潮田君は夢はあるの?」
「映画サークルにはいってて…いつか映画制作に携われるような仕事がしたいんです。」
「そう、夢は叶えるために追い続けるものよ」
嬉しそうに笑う彼女を見て
俺の想いも募っていく。
そこで、初めてプライベートの連絡先を交換したのが俺たちのはじまりだった。