きっと君を探すから〜kiyoto〜
「きよちゃんが1番大切なのは大ちゃんなのよね…?
だって私は栄君みたいにきよちゃんのライバルになれるような親友でもないし。
大ちゃんのように血を分け合った兄弟でもない。
じゃあ…私はきよちゃんのなんなんだろう?」
清人が今まで一緒にいた中で見たこともないような、切ない表情の鈴に思わず息を飲んだ。
喧嘩なら今まで数えきれないほどしてきたはずだ。
いつもの鈴なら、本気で謝れば「きよちゃんは本当にお馬鹿さんだね」って微笑んで優しく許してくれる。
そんな鈴がこんなにも切ない言葉を口にしたのだ。
自分のことばかりを考えていた自分が情けなくなる。
そして真っ直ぐ、鈴の顔を見つめた。