きっと君を探すから〜kiyoto〜
清人と鈴
畳に寝転んで、虫かごの中にいる昼間採取したばかりの小さなカブトムシを眺めていると
「清人、カブトムシばかり見てないで、文字を書く練習もしなさいね」
部屋と居間を繋ぐ襖を開けて
割烹着姿の、昔ながらの古風な母親が姿を見せた。
清人の視界に入ったのはそんな母親のはち切れそうなほど突き出たお腹だ。
「かあちゃん、赤ちゃんはもう産まれるのかい?
お医者様はなんて?」
「そうだね。もうそろそろくらいだと思うみたいよ」
突き出たお腹に、張り付くように耳をあてると
返事をするようにトントンと赤ちゃんがお腹を蹴飛ばす。