俺たちの妹・2
「変な事考えるなよ葵」

鋭い司さんの声で我に返った。

「………………」

「みぃの側を離れようとか考えてたんじゃないだろな」

ドンピシャで言い当てられてしまった。

「………………みぃに辛い思いはして欲しくないんです」


「………葵が離れて行ったら、みぃは辛い思いはしないのか?
俺はそうは思わないけどな……」




「え?」




「まず、みぃは自分の体が弱いから葵は嫌になって離れていったんだって思ったりするだろな……
それから、人との関わりを今以上に狭めるだろうな……
もしかしたら、大学も辞めるかも知れない。まぁ、それは俺や彼方達にとっては安心出来る事だけどな……」

それって……

「でもみぃは、1番信頼している人が自分から離れていく事によって………
人と関わる事がますます怖くなるかもね……」


俺が離れたらもっと辛い思いをするかも知れないって事か……


「今、みぃが葵を頼らなかったのは、訳があると思うよ。……誰かに口止めされたか、葵の忙しさに遠慮したか……」
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