俺たちの妹・2
「……………ん」

湯たんぽを抱き抱えながら、身じろぎをする桜。



いつも元気な桜がこんなに辛そうにしていたなんて………

今まで知らなかった自分が腹立たしい。


色々知っていたつもりだけど、まだまだ知らない桜がいたんだな……。


そんな事も愛おしいと思える存在に出会えて、良かったな……

負担や迷惑だなんてちっとも思っていない事、桜に伝わるといいんだけどな……



そんな事を思っていたら、パチっと目を開けた桜。


「桜?」

目を開けてから、身動き一つしない桜。

顔色が悪い……


「桜、気持ち悪いの?」


涙目で頷く桜。

俺は桜をそっと起こして、口元に袋をあてた。


背中をさすってあげると


ケホケホ…ケホケホ…

と咳き込み出した。


「桜、我慢しなくていいよ」

そう声をかけると、

オェ……ケホケホ……

少しだけ吐いた桜。



みぃみたいに吐き慣れていないから、上手く吐けないのかも知れない。


「桜?まだ吐き気ある?」


小さく頷いた桜。


「全部吐いちゃった方が楽になるよ」

「は、けない……」


涙目で俺を見つめる桜。
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