俺たちの妹・2
ほんとは可哀想だから、したくないんだけど………


苦しそうな桜も見たくないから……


俺は桜の口の中に手を入れた。


俺の手に驚いたのか、手を外そうとしたけど、しっかりと頭を抑えて、舌を押した。


途端に……


オェェェェ………


一気に戻した。


「桜。無理やりごめんね……」

「……………つ、かさこそ、ごめん」

「桜は謝る必要はないよ」

「だって……き、たない……」

そんな事気にしてたのか………

「大丈夫。辛そうな桜を見るよりは全然マシだから」


俺の言葉に力が抜けたのか、寄りかかってきた桜。

「口、濯いだ方がいいんだけど、濯げる?」


頷いた桜は、俺から体を離してベッドから立ち上がろうとした。


フラ……


とふらつき、ベッドに座り込んだ桜。

「おっと……立ちくらみした?」


「フラフラする……」


「貧血だな」

「俺、水持ってくるから待ってて」

俺は寝室を出た。
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