俺たちの妹・2
寝室に戻ると、ベッドに横たわる桜の姿があった。

「桜……口濯ごうか」

そう言ってゆっくり起こすと、

「……っっ‼︎」

痛みがあったのか、顔を顰めた。


「大丈夫?辛いね……」

そう言って背中を摩る。


「口濯いでごらん?」

そう言ってコップを手渡した。


素直にコップを受け取り口を濯ぐ桜。

「ここに出していいよ」

別の入れ物を渡す。


「司……ありがと」

「ん?可愛い彼女の為だから役に立てて嬉しいよ」

「……………ほんと?」

「もちろんだよ。……………ねぇ、桜。
毎月、一人で耐えるのは辛いでしょ?」


コクン……


小さく頷いた桜。










「そろそろ俺と暮らさない?」


桜が弱ってる時につけ込むなんて悪いけど、弱ってる今がチャンスだと思ったんだ。





「……………迷惑かけるだけだもん」

「俺は、一人で耐えてる桜を見る方が辛いよ…………………俺って頼りない?」

「ちがっ……」

「じゃぁ、いっぱい頼って?」

「でも迷惑…でしょ?」

「迷惑なんて思わないよ。それより、桜が頼ってくれる事の方が嬉しいよ」




「……………ふぇ…」

「泣きたいくらい辛いんでしょ?
一人で溜め込むともっと辛いよ?」


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