俺たちの妹・2
ピピ、ピピ、ピピ……


「「……………‼︎」」

体温計を抜き取ると、前園さんと一緒に表示を見て驚いた。



38.0

そりゃ、怠いはずだ……

何だか納得してしまった。


「山内先生…………」

「……………ん?」

「もう帰られた方が……………」

「いや、薬飲めば大丈夫だって」


熱があっても薬飲めば大丈夫なはず……



コンコンコン…

「司さん?お昼一緒に……って大丈夫ですか?」

日向がやって来た。


「ん、大丈夫」

「日向先生、大丈夫じゃないですよ。8度あります」

前園さんはキッパリと言い切った……

前園さんの言葉に思わず苦笑いが溢れた。


「司さん、診察して帰った方がいいと思いますよ」

「や、でもさ…まだ、回診残ってるし」

何とか帰らずにすむ言い訳を考えてみる。







「……………司さんのこんな姿見たらみぃが驚くでしょうね」

「ふふ、そうですね。みぃちゃんに連絡入れちゃいましょうか」


2人の中で会話が進んでる。


「ちょ、ちょっと待って」


思わず2人のやり取りを止めていた。

みぃに連絡なんてされたら困る。

みぃはいつでも頑張って診察室受けてくれてる。

そんなみぃを前に言い訳を並べてる俺を見たら、診察受けてくれなくなりそう。


それに、桜にも連絡しそうだし……
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