俺たちの妹・2
車に乗り込んでからも司は辛そうだった。

車のシートにずっしりと凭れて、見るからに怠そう。


少しするとマンションに着いた。


「司、着いたよ?」

「ん?……………あぁ、桜ありがとね」

そう言って、車からゆっくり降りてきた。

ギュッと司の手を握ってマンションのエレベーターへ向かう。

「司?目眩あるの?」

「少しね。でも大丈夫だから」

ゆっくり歩きながらエレベーターに乗り込む。


「……………家でくらい無理しないで?」

「ハハ。桜には誤魔化せないかな……」

「無理してるんでしょう?」

「……………うん。でももう家に着くから」

そう言う司は、頑張って家へまでは辿り着こうとしている様だった。

「家までもう少しだからね」

「桜、家に着いたら、迷惑掛けるかも……」

「大丈夫。私も前に看病してもらってるし、毎月辛い時一緒に居てくれてるからおあいこ。それに迷惑だなんて思わないから」


そう言いながら、ようやくたどり着いた、玄関。

司はホッとしたのか、身体の力が抜けた。


咄嗟に支えたけど、無理がある。

「ちょ、司っっ‼︎‼︎ベッドまで頑張って」

「……………あ、ごめん」
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