俺たちの妹・2

司side…

点滴をしてから、いつ病院から家に戻ったんだろう……

家に戻った記憶がない……


目を開けると、見慣れた天井が広がっていて驚いた。


点滴のおかげか、体の怠さがマシになっていたけど、暑さは半端なかった。

扉の方から気配が感じられた。


「……………さくら?」

思わず呟いた。


心配そうな桜の顔が俺を覗き込んだ。


「司、具合どう?」


あぁ、心配掛けちゃってるな……

大丈夫と伝えたけど、全く信じてもらえなてない感じがする……

まぁ、大丈夫と言いながら、病院で点滴打って帰ってきたら、信用もしないよな……


桜は、俺のためにおかゆを作ってくれていた。


全部食べれるかは自信ないけど、とりあえず、食べようと思って、体を起こした。

その途端襲ってきた目眩……

ほんとヤバイな……




桜が用意してくれたおかゆは、俺にとっては食べやすくて、難なく空っぽに出来た。

「ごちそうさま。美味しかったよ」

いつも桜が作ってくれた時に言う言葉は俺の中ではもう癖付いていた事だった。



この言葉を聞いてから桜は、今まで見せていた不安そうな表情が見えなくなり、
何か吹っ切れた様だった。
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