俺たちの妹・2
誰かが側にいてくれるだけで十分安心出来る。

そう思っても、体の怠さや頭痛がなくなる訳でもなくて……

ズキズキと痛みが増している頭痛をどうにかしたかった。


「彩さん……」

「なぁに?」

すぐに返事がある事に安心する。

「頭が痛くて……」

「我慢出来ないのね……」

コクンと頷く。

「何か食べれそう?」

あまり食べたくないけど、食べないと薬飲めないもんね……

「……………リンゴなら」

「分かった。食べやすい様にすりおろしておくね」


彩さんの優しい配慮が嬉しい。


「彩さん、ありがとう」

「気にしなくていいのよ」


そう言って、彩さんはキッチンへ向かった。



暫くすると彩さんがリンゴの入ったお皿を持って来てくれた。

「はい。食べれそうかな?」

心配そうに見つめる彩さん。

「頑張ってみる」

そう言って、一口入れてみた。



あ、いけそう……

吐き気がやって来ない事に安心した。
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