俺たちの妹・2
「あ〜っっ‼︎‼︎ 悠斗くんがみぃちゃん泣かせてる」

突然大きな声がして、驚いた。

振り返ると、高校まで一緒だった華(ハナ)ちゃんがいた。


「ちょ、言い方悪いから華。」

「だって、泣かせてるじゃん」

側からみたらそう見えるみたい。

「ち、違う、の……嬉し、くて……」

私も慌てて否定する。

「そうなの?なら良かった。悠斗くん、女の子は泣かせちゃだめだよ」

「分かってるって」

「ねぇ、みぃちゃん。私も一緒に受けていい?」

「うん」

「ありがと」



断る理由も特にないしね……

悠斗くんにも他の人とも関わって欲しいから………


それからは賑やかだった。

華ちゃんはあまり高校までは関わりがなかったけれど、とっても元気な子で、お喋りで……

桜みたいな感じだった。


「ねぇ、明日からテストだね。勉強進んでる?」

「昨日まで体調悪かったから、あまり……」


「そうだったんだね。もう大丈夫?」

「うん、もうすっかり」

そう言ってにっこり笑うと、華ちゃんは赤くなった。


「華ちゃん?」

「みぃちゃん、その笑顔、女の私でもヤバい……悠斗くん、よくこんな笑顔振りまかれて普通でいられるね?」


「………俺もドキドキしてる。でも、葵の彼女だし、その前にみぃちゃんは友達だからね」
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