俺たちの妹・2
「明日も大丈夫そう?」

「うん。大丈夫だと思う。解き終われば休憩も出来るし」

みぃの言葉には不安が付きまとうが、テストだけは出たいと思ってるし、仕方ないよな……

「テスト終わったら夏休みだし、葵とも少しはゆっくり過ごせるかな?」

「もちろん」

みぃの為にも、俺の為にも二人の時間を作りたい。

勉強が基本だけど、息抜きも必要だしな……


夏はみぃにとってあまりいい思い出がない季節だから、少しでもいい思い出作ってあげたいんだけどな……


「今年も花火、見れるかな?」

みぃがポツリと呟いた。

付き合ってから、一緒に見る様になった夏祭りの花火……

みぃの体調次第で見る場所は変わるけど、二人で見る様にしてきた。


初めて付き合った時は、家の近くから……

2年目、3年目はみぃが
入院していたので、病院の屋上から……


場所は違えど、見えるものは一緒だから……


「もちろん、今年も一緒に見るよ」

俺の言葉に安心した顔をしたみぃ。

「見れないと思ってた?」

「分からない。もう高校生じゃなくなったし、忙しくなったから……」

「そんな事で辞めたりしないよ?みぃとの大切な約束は守るよ」

「葵……………ありがと」

ふんわり笑ったみぃ。

この笑顔は守らなきゃ行けないな……
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