俺たちの妹・2
今日は葵が病院まで来てくれていた。

「みぃ、退院おめでとう。頑張ったね」

「葵、ありがとう。つーくんに凄い念押しされちゃった」

「ふふ、俺もみぃから目を離さないでって言われたよ」

「もう、つーくんったら」

「それだけ、みぃを行かせようとしてくれてるんだよ」

「私は、桜が楽しみにしてるってのも大きいと思うけどね」

「確かにそれもそうだな」

二人で顔を見合わせて笑った。

こんな穏やかな日がずっと続けばいいのに……



二人で葵の車に乗り込んで、家まで向かう。

葵は私が元気な時は、少しだけ遠回りして、ドライブをしてくれる。

遠出があまり出来ない私にとっては貴重な時間だったりする。

「あ、ねぇ葵」

「ん?」

「桜の家に行って欲しいんだけど……」

「何か用事?」

「少しだけ確認したいことがあって……」

「分かった」

「葵は車で待っててくれていいよ?」

ほんとは待ってて欲しいんだけど……

「俺も行くよ」

そう思い通りにはいかないね……

「分かった」


「なになに?俺がいちゃ話しにくい内容なの?」

ほんと葵は鋭い………


「そうじゃないんだけど、気を悪くしないかなって……」

「……………また変なこと考えてるんでしょ」

「つーくんにお願いしたら、本人と話してって言われたから……」

「じゃぁ、尚更付いていく」

葵は、少しだけ顔を強張らせた。

そんな悪い内容じゃないんだけどな……
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