俺たちの妹・2
「ま、そんな感じだよ」

「俺は中学から一緒だけど、もうその頃には葵とみぃちゃんの仲は出来上がっていたから、誰も入り込めなかったよ」

「たまに居たけどな……」

ふと思い出した高校生の出来事。

みぃに避けられるなんて今までなかったから、俺も堪えたな〜。

「葵もみぃちゃんも美男美女だから、羨む人もいれば妬む人もいるだろうね……大学入ってすぐにあんな事起こったし、ほんとようやく穏やかな日々だよね」

楓の言葉に思わず苦笑いが溢れた。




そんなたわいもない会話をしながら車は目的地へ進んでいく……


サービスエリアで少し休憩するために車を降りる。

みぃは大丈夫だったかな……

そう思い、司さん達の元へ行く。

みぃに笑顔が見えていたから一安心。

「あ、葵。運転お疲れ様」

みぃの言葉に暖かかくなる心。

「みぃは大丈夫だった?」

「うん、つーくんの運転安全運転だし、平気だったよ」

にっこり笑うみぃはほんとに大丈夫そうだった。

「葵こそ疲れてない?」

「まだまだ大丈夫」

「なら良かった………帰りは葵の隣に乗せてね」

みぃがそっと耳打ちした言葉は、素直に嬉しかった。

「もちろん。俺も安全運転で家まで送るからね」

「ありがとう」

そんな俺たちのやり取りをみんなが見ていたなんて知らなかった。
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