俺たちの妹・2
休憩もそこそこにサービスエリアを出ると……

「やっぱ、葵とみぃちゃんは何やっても様になるな」

悠斗の言葉に驚いた。

「え?」

「いや、さっきの二人の内緒話。たわいもない話なんだろうけど、なんか雰囲気あったから……
何話してたの?」

「みぃが帰りは隣に乗せてねって……」

「みぃちゃん、マジ可愛い。そんな事言われたら惚れ直すよな」

「俺のだからね」

二人に忠告すると

「「分かってるって」」

声を合わせて言われてしまった。


その後の車内では楽しい話ばかりだった。


そして着いたみぃの家の別荘。

「すっげ〜っっ‼︎ 外国に来たみたいだ」

悠斗が高いテンションで喋り始めた。

「みぃちゃん……やっぱりお嬢様だな……」

楓も呟いた。


空気もいいし、静かだしみぃが療養するにはもってこいの場所。

子どもの頃は何も思わなかったけど、大人になって来てみると、みぃは夏の間、よくここで療養してたんだなって事がわかった。

ここ数年はおじさんもおばさんも海外にいる事が多かったから、療養でここを使う事はなかったけど、気分転換としてでもこの場所を使うのもいいかも知れない。

< 313 / 612 >

この作品をシェア

pagetop