俺たちの妹・2
ケホケホッ………

みぃの咳き込みが聞こえる。

ベッドに近づくと、みぃは枕に体を預けながらもぐったりしていた。



そっと手を握り、脈を確認する。

……少し早いけど、大丈夫。


「みぃ?少し辛そうだし、吸入しとこ」

「うん」


鈴木さんが持ってきてくれた吸入器をみぃの口元に当てる。

少しすると、楽になったのかぐったりしている感じがなくなった。

「咳は落ち着いたみたいだね。無理しちゃダメだから、もう少し休んでおこう?」

「葵……ごめんね」

「俺は謝って欲しくはないな……」

「うん………ありがとう」

そう言うとみぃは、すぐに眠ってしまった。

発作じゃなかったけど、体、キツかったんだな……



俺は側に居たかったから、鈴木さんにお願いして、紅茶を持ってきてもらった。

鈴木さんの淹れてくれる紅茶はいつ飲んでもほんと美味しい。

それを味わいながら、本を読みながらまったりとした時間を過ごした。




1時間程眠ったみぃ。


みぃと一緒に戻ると、すぐに司さんがやってきた。

「葵。みぃ発作じゃなかったよな?」

司さんにそう確認されたので、みぃの体調と様子を伝えた。

「分かった。ありがとな。明日診察するから、気をつけておく」

「お願いします」

その後はまだプールに入ってる人達を眺めて、上がってからは夕暮れまでみんなでワイワイたわいもない話をしながら、楽しいひと時を過ごした。


みぃにとって、楽しい時間で終わってくれたら、ここに来た甲斐があったと思う。
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