俺たちの妹・2
別荘の門の前に立つと、鈴木さんが出迎えてくれた。

お友達だと紹介しておけば、鈴木さんは何か困った事があったら助けてくれるから、これで一安心。




みんなで水着に着替えてお庭に出るためお部屋に入った。


「凄いねこの部屋……」

華ちゃんがポツリと呟いた。

「お兄ちゃん達はお友達を連れてよく遊びに来てたんだって。その時は10人くらいこの部屋で寝泊まりしたって言ってたよ」

「通りで広いわけだ。4人で使えるなんて贅沢ね」

桜は喜んでいた。

「………………みぃちゃんって何者?」

香穂ちゃんが驚いている。

私が凄い訳じゃないんだけどな……

私は何の役にも立ってないし……


「……………」

思わず苦笑いがこぼれた。

「……………城之内コーポレーションって知ってる?」

「もちろん。知らない人はいないと思うよ」

私の問いかけに反応してくれた香穂ちゃん。

「そこの社長が私の父なの……」

「「……………えぇぇっっ‼︎」」

あれ、華ちゃんも知らなかったのかな……

「私の祖父や両親が頑張ってくれてるだけで、私は全然凄くないの……」

「……………みぃ、そんな事言わないの。そんな言葉聞いたらおじさんもおばさんも悲しむよ」

「……………だって」

「みぃの笑顔は元気をくれるっておじさんもおばさんも言ってたよ。だから、みぃは元気を分けてあげるためにも笑ってなきゃダメなの」

パパとママがそんな事を言ってたなんて知らなかった。
< 325 / 612 >

この作品をシェア

pagetop