俺たちの妹・2
話し声が聞こえて目が覚めた。

「あ、みぃ起きた?」

そう言ったのは葵。

葵、つーくん、ひな兄で話していたみたい。

「美晴?体どんな感じ?」

ひな兄が、ベッドの側まで来てくれた。

「うん。怠さも頭痛も少しマシかな……」

「目眩と息苦しさはまだあるんだね?」

つーくんに指摘されて頷いた。

「少し酸素マスクつけておこうか。
目眩を抑える点滴も入れておくよ。
それに今日はお泊りした方が良さそうかも。今日発作出てないでしょ?出そうな感じって言ってたから、発作起こる可能性大きいと思うんだ……」

確かに家に一人の時に発作になったら怖いな……



「発作起きてすぐに処置できる方がみぃにとってもいいだろうから、今日は様子見でお泊まりね」。


もう決定事項だった。

「……分かった」

「ただし、今日は葵が側にいる事を許可する」

「え?」

「葵がみぃの病室に泊まっていいよ」

「ほんとに?」

「もちろん。葵はみぃに無茶させないしね」

「……つーくんありがとう」

思いがけないプレゼントだった。


大学生最初の夏休み、楽しい思い出が更に増えた瞬間だった。



少しベッドを起こして、もたれる……

すぐに退院できたら、葵とまたお出かけしたいな………


邪魔な酸素マスクを鬱陶しく思いながら思った事だった。
< 333 / 612 >

この作品をシェア

pagetop