俺たちの妹・2
佐々木先生の言葉のおかげで、美晴の心配は残るものの、少し気持ちが軽くなり、診察に打ち込む事ができた。


昼休みに美晴の部屋へ向かうと、美晴は眠っていて、葵が本を読んでいた。

「あ、ひな兄。今からお昼休憩?」

「あぁ。顔だけ見ようと思って……葵は側にいてくれたの?」

「うん、昨日の帰りの車でもみぃ寝ちゃってってたから、色々聞けなくて心配だったんだよね〜。でも今日来て良かった」

葵は、少し不安そうにみぃの頭を撫でた。


「どうした?」

「さっき、咳き込んじゃって……
吸入して落ち着いたけど、なんか不安定な感じがする」

葵が側に居てくれて良かった。

「そっか。ありがとな。俺今日夜勤なんだよな〜。ちょっと司さんと相談かな〜」



コンコンコン

「どうぞ」

ノックの音に返事をする。

「日向も葵も来ててんだ。」

司さんだった。

そう言いながら、一直線に美晴の側へ向かう司さん。

聴診器を取り出して、

「みぃ、ちょっと聴診するね」

と声を掛けてから聴診を始めた。


「葵、発作起きた?」

聴診を終えると葵に問いかける司さん。

「発作までは酷くないですけど、咳き込みはありました。吸入ですぐに治まったんですけど……」

「そっか。ありがとな」

「日向、今日は夜家に居る?」

やっぱりそこだよな……

「いえ、夜勤なんです」

「そっか……じゃぁ、とりあえず今日は泊まってもらおうかな……」
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