俺たちの妹・2
そうなるよな………

「あの、司さん」

葵が突然司さんを呼んだ。

「どうした?」

「俺、今日だけ付き添っちゃダメですか?」

葵の申し入れは嬉しいけど……

「………う〜ん」

司さんも悩んでる。

「このままだと多分、発作起きますよね?俺、すぐにナースコール押すんで、ダメですか?」


葵の申し入れは正直有り難かった。

美晴が発作を起こして、直ぐにナースコールを押すかと聞かれたら、多分押さない……

美晴は発作を自力で治めようとして、耐えて、ギリギリまで我慢すると思うから……

ギリギリまで耐えられたら医者としては辛いんだけどな……

今回はそれをすぐに察知出来るICUに居る訳じゃないから……


「……………じゃぁ。今回は特別な」

「司さんほんと?やった‼︎‼︎」

「昨日大勢と会った後に一人で病室にいると、孤独を更に感じてしまうかも知れないからね…」

「俺、みぃが寂しくない様に側にいます‼︎‼︎」

多分、葵が側に居たかっただけだろうけど……

葵の反応を見て、思わず司さんと目を合わせた。

司さんも笑っていたからきっと同じことを思っていたと思う。






この時の判断が良かったと思ったのは、夜になってからだった。
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