俺たちの妹・2
葵の言葉を聞いて、そっと部屋を出た。

今日の夜勤は結構バタバタしていた。

入院中の患者さんの容体が良くなかったり、救急のヘルプにも行った。

ひと息ついて、仮眠室で眠る事にした………


少しうとうとしていると、




pipipipipi…

院内の携帯が鳴った。

〔はい〕
〔ひな兄、みぃが発作起こしたっ‼︎〕
〔分かったっ‼︎ 吸入吸わせてみて。すぐ行く〕

そう言って、仮眠室を飛び出した。

廊下を走って美晴の部屋へ急ぐ。


「美晴っっ」

ゴホゴホッ…ヒュー…ゴホゴホッ…ヒュー…


「ついさっき、みぃ目が覚めたんだけど、目を覚ましてから咳き込み出して……」

葵は美晴の背中を摩りながら吸入を吸わせようとしている。

「葵とりあえずそのままお願い」

「日向先生⁉︎」

前園さんが驚いている。

「葵に繋ぐように言ってたんだ。発作止め用意して。酸素マスクも準備してて」

「はいっ」

「美晴?落ち着いて呼吸するんだ。
苦しいけど大丈夫だから。
吸って〜吐いて〜」

ゲホゲホ…スー…ゲホゲホ…ゴホゴホ…ハー…ゲホゲホ…ゴホゴホ…

「上手だよ。発作止め打つね」

美晴の答えを聞かず、発作止めを打つ。

「みぃ、ゆっくりだよ。大丈夫。みんな側にいるから」

そう言って、背中を摩りながら美晴を落ち着かせようとしている。

流石だな……

慌ててるそぶりはない。

美晴の発作を何度も見ているからできる事だろうな……
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