俺たちの妹・2
佐々木先生が兄貴に弱い?

どういう事だろう………

「あの……兄貴に弱いって?」

「あぁ〜。彼方ってさ、普段すげー優しいじゃん。弄りがいがあるし、一緒にいて、楽しいの。でも俺はその優しさに甘えて、テスト勉強や、課題を一緒にやってもらったりしたんだ。
彼方がいなかったら、正直なところ俺、卒業出来てなかったかもな……
だから、俺にとっては彼方は、親友であり、恩師である訳。だから、彼方のいう事は聞いとかないとバチが当たりそうでさ……」

苦笑いしながら話してくれた佐々木先生。

「ま、大和は元は出来る奴なんだけど、ケツ叩かないと動き出さなかったから、そのケツを叩いてやる気にさせたのが彼方な訳」

なるほど……

それで兄貴に弱いのか……

「日向、今日はもう帰っていいよ。疲れた顔してる」

「みぃは多分まだ退院出来ないと思うから、今日はゆっくり寝るのがいいよ。日向のお陰で、昨日はゆっくり出来たよ。ありがとう。だから交代」

そう言って俺の背中を押した司さん。


「そうそう。今日はゆっくり休んで。何かあれば俺も連絡するからさ。それまで休んでおかなきゃ、体もたないよ」

佐々木先生も司さんに便乗してる。

ここは大人しく従った方が良さそうだな………

「分かりました。何かあれば連絡下さい」

「「りよ〜か〜い」」

声を合わせる二人の見送りを背に、俺は病院を出た。


どれだけ寝れるか分からないけど、とりあえず寝よう……

そう思わずには居られないほど、今回の夜勤は大変だったな……





美晴はそれから2日間入院して、ようやく落ち着いたので、家に戻ってきた。
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