俺たちの妹・2
私は朝方に、ひな兄の言った通り、再び発作に襲われた。

葵も側に居てくれて、ひな兄もすぐに来てくれて処置してくれたので、幸いすぐに治った。


とっても息苦しかったけど、安心できる存在が側に居てくれる事はとても幸せな事だと思った。


葵の励ます声が………

ひな兄の優しい声が……

私に安心を与えてくれた。





不安定だった体調が安定し始めたのはそれから2日後。



それから退院して、今は自宅安静。




退院してから、葵が毎日私の部屋に来てくれて、ゆったりとした時間が私の周りで流れている。

酸素着用で、ベッドの上で安静にしておく事が退院の条件だった。



せっかくの夏休みなのに、葵とお出かけするのは随分と先になりそうだな……

今年もきっと残りの夏休みは、いつもと変わらないんだろうな……



「ねぇ、葵」

「ん?」

「毎日来てくれなくてもいいよ」

「どうして?」

「大分体調も落ち着いてきたし、葵もしたい事あるでしょう?」

「………みぃはそんな事気にしないでいいの」

そう言って頭を撫でられた。

「でも、せっかくの夏休みなのに葵まで一緒に部屋にこもる事ないよ……」

「………俺がみぃと二人で過ごしたいの。家の方が他の誰にも邪魔されないしね。なんなら俺の部屋に来る?」

「………そういう事じゃなくて」

「大丈夫。俺、やりたい事はちゃんとやってるから。出かけたい時も出掛けてるよ?」

「ほんと?」

「ほんと。昼から来る時あるでしょ?」

そう言えば、今日もお昼過ぎから葵は来てくれた。

「午前中に終わる事は済ましてから来てるし、今のところやりたい事って、みぃの側にいる事だから……」

葵の言葉に顔が紅くなるのが分かった。
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